今月の国立映画アーカイブ
毎月1回、お送りするこのコーナー。
京橋3丁目にある「国立映画アーカイブ」スタッフの方が、映画に関する様々な企画や上映イベントなどを通してその魅力をご紹介くださいます。
今日、スタジオにお招きしたのは。。。
特定研究員の濱田さんと玉田さんのお二人です。
まず濱田さんにご紹介いただいたのは、
展覧会「映画雑誌の秘かな愉しみ」
開催期間:9月7日(土)-12月1日(日)
開催場所:国立映画アーカイブ展示室(7 階)
<HP>https://www.nfaj.go.jp/exhibition/filmmagazines/
<チラシ>https://www.nfaj.go.jp/wp-content/uploads/sites/5/2019/08/zasshi_flyer.pdf
日本最初の映画雑誌とされているのは、110年前の1909年(明治42年)の6月に創刊された「活動写真界」という雑誌。これは吉澤商店という最初期の映画会社が、おもに自社の作品を紹介する目的で作ったそうですが、何と吉澤商店は現在の中央区銀座8丁目あたり、かつての京橋区南金六町にあったということで、さすが!中央区。明治時代からやってくれますねー。
今回の展示、日本の映画雑誌の歴史を約400点の資料でたどることができます。
新たな視点で映画雑誌を捉えるきっかけになると思います。
是非、ご自身の眼でご覧になってください。
そして、もう一つ注目の映画特集を玉田さんからご紹介いただいたのは、
共催上映「日墺洪国交樹立150周年 オーストリア映画・ハンガリー映画特集」
開催期間:10月10日[木]-20日[日]
開催場所:長瀬記念ホール OZU
<HP>https://www.nfaj.go.jp/exhibition/austriahungary201909/
オーストリア、ハンガリーというと「ハプスブルグ家」が栄華を誇った時代、きらびやかでゴージャスな宮廷文化などを思い浮かべるのですが、、、
今回上映されるのは、制作年代が1950年代から2010年前後までということで、大衆映画から実験的作品まで両国で5プログラムずつ、合わせて16作品。
オーストリア映画の実験的作品とは、読んで字のごとく様々な手法を使って新たな表現を生み出そうとする挑戦的作品のこと。
ハンガリー映画ではかつて国の行く末を大きく揺さぶった「ハンガリー動乱」を詳細な資料、緻密な表現、現実を直視しながら描いた312分の超大作もあるそうです。
各国の民族、宗教、伝統が色濃く表現された作品から現代社会を切り取るものまで、時代を超えた映画の世界に浸ってみたい方には絶対おススメです。
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Art Focus @ Tokyo
アートライターのヒロさんが注目のアートイベントをご紹介くださるこのコーナー。
今回は。。。
東京都現代美術館で開催中の「あそびのじかん」をご紹介くださいました。
(1)いきなり高い壁!が立ちはだかる
開発好明さんの作品「受験の壁」は、いくつものタンスで壁面を作りボルダリング用のホールドが散りばめてあります。えっ?これを登らないと進めないの?と思いきや、しっかり抜け道が。作家は裏口入学と呼んでいました。しかしタンスの壁を抜けられても迷路が出現し、右往左往することに。
(2)真剣にボタンを投げてみる
野村和弘さんの「笑う祭壇」は、ボタンを投げて台座に乗せるゲーム的要素の作品。ひとり小皿2杯のボタンを投げられます。とはいえ投げたボタンがあんなに小さな台座の上に止まるはずないでしょうと普通は思ってしまいます。
ボタンを台座に乗せられた人はこれまでのべ2万人チャレンジして3人とか…この展覧会では既に6人が成功したそうです。作家は展示室を教会に見立て、台座を「祭壇」としています。
(3)あそびをテーマにした体験型
TOLTAさんの「ポジティブな呪いのつみき」は、言葉の書かれた積み木を組み合わせて文章を作る作品です。〈呪い〉は、人を動かす力を持った言葉、という意味で用いたそうです。例えば組み合わせによって以下のような文章になります。
ミミズを食べれば / 夢は叶う
丁寧に文字を書いたら / 悪を倒せる
出品作家は全部で6組。楽しい体験型展示であるとともに、「あそび」という体の作品を深読みすることもできる展覧会です。
その他の出品作家:ハンバーグ隊、タノタイガ、うしお
◎展覧会インフォメーション
東京都現代美術館 http://www.mot-art-museum.jp/
2019年10月20日(日)まで 月曜休(祝日の場合は開館、翌日休館)
午前10時〜午後6時 ※入館は閉館の30分前まで
一般1200円
出品作家・野村さんの個展が開催されます。
野村和弘 美しい直線—反語的タイトル
gallery21yo-j http://gallery21yo-j.com/
2019年9月12日(木)〜29日(日) 月・火・水曜休
午後1時〜午後6時
開発好明「受験の壁」
野村和弘「笑う祭壇」 現在は床に多数ボタンが散らばっています
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今日から開催!「挑戦するエンジニア ブルネル父子の偉大なる軌跡展」
本日9月6日(金)から「築地よりみち館」で始まった
「挑戦するエンジニア ブルネル父子の偉大なる軌跡展」
スタジオにはこの企画展をなさる、一般社団法人洸楓座 代表理事の佐藤健吉さんをお迎えしました。
Never Forget 東北をテーマに、2カ月間にわたり開催されるこの企画展。
「ブルネル父子って誰?」と思われる方、多いですよね。
その疑問をストレートに佐藤さんにぶつけると、
「時代で言うと父のマーク・ブルネルはイギリス産業革命の時に活躍。今、日本の技術が世界一と言われるトンネル掘削技術「シールド工法」の生みの親です。そしてイギリスBBCの人気人物調査によると、1位はチャーチルですが、2位にはあのニュートンをおさえて息子のイザムバード・ブルネルが挙げられるほど、イギリスでは大変人気のある偉人なのです」と教えてくださいました。
ブルネル父子、そんな凄い人なんですねー。
そして現代日本の発展と切っても切れないトンネル掘削技術の基礎を築いたことを知って感激!
実は息子のイザムバード・ブルネルは、以前このハロラジでご紹介した「土木偉人かるた」にも登場しているのです。天才エンジニアであったブルネル父子がいたからこそ、今の日本の発展があった、とは言い過ぎでしょうか?
でも確かに父子の技術と精神は彼らが没してから170年近く経った今でも脈々と受け継がれ、進化しているのですからね。
日本ではまだ知られていないブルネル父子の軌跡を是非この機会に、この展覧会でご覧ください。
「挑戦するエンジニア ブルネル父子の偉大なる軌跡展」
開催期間:9月6日(金)~10月26日(土) 9:00~21:00
開催場所:「築地よりみち館」 (中央区築地4-7-5 築地KYビル2F)
詳細はコチラから→ http://www.kofuza.jp/yorimichi
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来週9月9日(月)は重陽の節句。
その月曜日のハローラジオシティ。ナビゲーターはシンディこと新宮志歩チャンにバトンタッチ。
どんなゲストの方が登場なさるかお楽しみに!
今日も素敵な午後を、そして素敵な週末をお過ごし下さいね。