私達の健康について考えるコーナー「教えて!オハナ」
今回も中央区内にある調剤薬局健ナビ薬局人形町のオハナ、
薬剤師の豊田陽子さんと管理栄養士の前田美紀江さんが
今の時期に知っておきたいコトをわかりやすく教えてくださいました!!
今回のテーマは『ノロ・ウィルス』
気温が低く、空気が乾燥している今の時期は、ウィルスが増殖しやすい季節。
ノロ・ウィルスに限らず、色々なウィルスに対して用心しなくてはいけません。
季節性のインフルエンザは予防接種を受けることもできますが、
ノロ・ウィルスはそうもいきません。
だからこそ、感染しないように気を付けなくてはいけないし、
感染してしまった場合は、本人も周囲の人も正しい対処が必要です。
初めに、豊田さんがノロ・ウィルスについて色々教えてくださいました。
ノロ・ウィルスは原因となるウィルスを摂取した後、24時間~48時間で発症します。
以前は二枚貝が主な原因と言われていましたが、カキなどの流通は改善され、
今はむしろ他の食材からの感染報告が多くなっています。
さらには、感染したヒトから、ヒトへの感染も多いのが実情です。
健康な人であれば、重篤になることは少ないのですが、
抵抗力のない小さいお子さんや、お年寄りは、時に死に至ることもありますので
注意が必要です。
感染してしまった時に注意したいのが、薬の服用。
私達はお腹の調子が悪いと、胃腸薬を飲んでしまうかと思いますが、
下痢止めなどは排泄を止めてしまうため、ウィルスを体内に留めてしまい、
結果、ウィルスが繁殖、症状を悪化させてしまいます。
感染が疑われる場合は、なるべく早く病院へ行ってください、とのことです。
そしてもし感染してしまった場合は、感染拡大を防がなくてはいけません。
覚えてください!
1に洗浄 2に消毒
インフルエンザなどのウィルスと同様、ノロ・ウィルス拡大を防ぐには
うがい、手洗いがとても大切になります。
消毒の際は逆性せっけんや消毒用エタノールはあまり効果がなく
次亜塩素酸ナトリウム=塩素系のもので消毒することが大切です。
台所で使うもの、タオル、なども洗浄・消毒が必要、
排泄物などの処理の際には洗浄・消毒ともに念入りに。
こうしたウィルスによる食中毒を防ぐためには、やはり食肉・魚介などは
生食を避けて、よく加熱すること、心がけましょう!
ノロ・ウィルスについては85°Cで1分加熱することで
ヤッツけることができるということですよ。
後半は前田さんが、病中の食事について教えてくださいました。
なんと言っても、まず、一番大切なのは、水分の摂取。
下痢症状のある時には脱水症状を防がなくてはいけないと、よく聞きますね。
ウィルスに感染している場合は“経口補水液”での水分補給がよいとのこと。
“経口補水液”は薬局で売っていますよ。
食欲がなくても、水分だけはしっかり取らなくてはいけませんね。
食事も取れるようなら、お腹に優しいゴハンを食べましょう。
おうどん、おかゆ、おじや…穀類を柔らかく炊いて頂くのは、病時食の基本!
ささみや湯どうふなど、消化がよい食材もオススメ。
お野菜などをたっぷり入れてじっくり煮込んだスープも、もちろんよいということです。
一方、辛いモノ、カフェイン、冷たいモノ、油、アルコールなどは
刺激が強いので、こんな時は避けたい食材です。
普段から、手洗いなど洗浄に気を付けて、食材はよく加熱する…
これを守っていれば、かなり感染を防ぐことができそうだし、
もし感染してしまっても重症化を避けられるのではないでしょうか?
豊田さん、前田さん、今回もありがとうございました。
さて、健ナビ薬局人形町店では
2月4日(土)健康相談会が開かれます。
500円の参加料で、様々な測定なども受けられます。
なかなか検診へ行くのは大変ですが、ここならちょっとしたチェックアップになりそうですね。
お近くの方、のぞいてみてください。
(聞き手 木之下貴子)