三井記念美術館 「特別展 江戸の粋・明治の技 柴田是真の漆・絵」

<写真 今日の霊岸橋の様子>
昨日は大寒だった割にとても暖かく、風もずいぶんと柔らかくなり、春が一歩一歩近づいてきている感がありますね。沖縄では、カンヒザクラが咲いていたり、この暖かさに誘われるように大阪では、早くも梅の花が咲いたそうです。春よ、来い来い♪

今日は、2/7(日)まで三井記念美術館で行われている柴田 是真の特別展をピックアップしました。柴田 是真は幕末から明治期に活躍した漆芸家であり画家です。日本よりも海外で高く評価されていますが、今回の展覧会は、里帰りした作品70点と日本に所蔵される約30点を合わせ、計100点の作品が展示されています。
酒脱なデザインと卓越した技巧が彼の良さ。「瀑布に鷹図」の作品では、左右で、滝に移る自分の姿とにらめっこする鷹が描かれています。左は滝の前に止まっている鷹、右はうっすら自分の姿が水鏡になって映っている鷹が見えます。なんて、チャーミングな鷹なんでしょ! そして、もう少しすればおひな様のシーズンですが、あなたはおひな様を描いたり、写真に撮るとしたらどの位置からにしますか? 私は絶対に真正面からにしますが、なんと是真は、「雛飾り図」で、段飾りのひな人形を斜めの視点からとらえています。全く思いつかなかった! 遊び心や人の意表をついた構図。是真の特徴が現れていますよね?

そして、彼は、蒔絵も沢山手がけています。蒔絵と聞くと、豪華できらびやかな世界を思い浮かべると思いますが、彼は「金や銀は国家の司法。みだりに使うべきではない」として、様々な技法を、新しく生み出したり復興し、漆の持つ可能性を常に追求していました。こんなところにも、彼の性格が現れていると思います。

他にも、是真得意の変塗を駆使して、だまし絵ならぬ「だまし漆器」のユニークな作品を残していますよ。

残念ながら生きている是真に会うことはできませんが、作品から彼の生き様、考え方が垣間みられるのではないでしょうか。是非あなたも江戸っ子らしい是真の作品の数々に触れてみて下さいね。

月曜日が休館日です。また、1/31(日)もお休みですので、ご注意下さい。

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