Art Focus @ Tokyo
国立歴史民俗博物館で開催中
「よみがえれ! シーボルトの日本博物館」
これから楽しい夏休みの旅が待っている?
アートライターのヒロさんがご紹介してくださいました。
(1)医師として来日
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796年 ドイツ生まれ)は
1823年、出島のオランダ商館付の医師として来日しました。
長崎の郊外に鳴滝塾を開設し、医学の知識と技術を伝授しながら
日本という国の文化や生活に関心を持ち、あらゆるモノを収集しました。
(2)シーボルトの功績
日本の研究に情熱を注いだシーボルトは
1828年、地図を国外に持ち出そうとして国外追放処分となり帰国しました(シーボルト事件)。
持ち帰った大量の資料をもとに、1832年、ライデンのシーボルトの邸宅でコレクションを公開しました。
それらはオランダ政府に買い上げられ、現在のライデン国立民族学博物館に収蔵されています。
シーボルトは『日本』『日本動物誌』『日本植物誌』を刊行し、時を経て1859年に再び来日。
コレクションの充実に尽力し、帰国後の1863年にアムステルダム産業振興会館で展覧会を開催しました。
1864年、故郷ヴェルツブルクのマックス職業学校へコレクションを移設後
1866年にミュンヘンの王宮庭園に面したギャラリーに日本展示を果たしました。
同年、風邪をこじらせ死去。
それらのコレクションは生前の約束によって、1874年にバイエルン政府に買い上げられ
1868年設立の民族学博物館(現在のミュンヘン五大陸博物館)の主要コレクションとなっています。
(3)日本博物館の再現
2度の来日で集めた第一次・第二次コレクションについて
シーボルトは第二次の方が優れたコレクションだと語っていたそうです。
第二次コレクションによるミュンヘンでの展示構成は、
シーボルト自身の作品解説と
シーボルトの死後に長男が作成したコレクション目録によって大まかに把握できます。
今回の展覧会は、上記の資料により、ミュンヘンの民族学博物館における
第二次コレクションの展示復元を試みています。
ちなみに、当時の民族学博物館には、日本展示の他、
中国、インド、アフリカ、オセアニア、アメリカなどの展示ケースが並んでいました。
民族学が学問として成立する以前に、民族学博物館を構想していたシーボルト。
シーボルトと日本の関係はいろいろな意味で深かったのです。
◎展覧会インフォメーション
国立歴史民俗博物館 https://www.rekihaku.ac.jp/index.html
2016年9月4日(日)まで 8/8・22・29休館
午前9時30分〜午後5時 (入館は閉館の30分前まで) 一般830円
01:会場風景
02:型染見本帳(左)と藍板締裂(右)
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いよいよ来週後半はお盆休み、という方も多いのでは?
酷暑の折、くれぐれも体調にはお気をつけて。
では、また来週お目にかかります!