今夜のトーク in 日本語

Kemon acho!! (ごきげんいかがですか)先週に引き続き番組にお越しいただいた、バングラデシュ出身のタスヌーバ・タヒアさんから教わった、ベンガル語のあいさつです。発音は、私の印象だと「カモン・アチョ」に近い感じです。
世は自粛ムードで、毎年4月29日に行われる「銀座フラワーカーペット」も、今年は中止が決まりました。だけど皆さん、1日1回はお友達に元気よく「カモン・アチョ!」と言って、暗くなりがちな自粛ムードを吹き飛ばしましょうね!

さて今週のTokyo Chatterは「外国人と災害情報」というテーマでお送りしました。江東区豊洲のタワーマンション45階で被災したタヒアさんとのトークです。

(タヒア)「幸運にも電気はついていたので、テレビをつけました。ニュースキャスターは100%日本語で情報を伝えていました。私は日本語がある程度できるので理解できたのですが、日本語を知らない人にとっては難しかったでしょう。
でも、日本語が分かることが、さらに混乱を引き起こす場合があります。CNNやBBC、アルジャジーラといった外国メディアと日本のメディアの伝える内容に、かなりの差があるからです。日本語メディアの情報だけなら、問題ないんですけどね。現状を冷静に把握できますから」
(マヤ) 「そんな時こそ、この番組なんです。なぜなら私たちが外国人に対してしたいのは、まさにその課題の克服だからです。ラジオ番組以外にもツイッターやFacebookを駆使して、憶測ではない情報ソースのはっきりした情報を伝えたいのです。タヒアさんは、被災した当時はインターネットは使えましたか?」
(タヒア)「ええ。この番組が外国人に役立つ情報を提供されるなら、私もそれに一役買わせていただきたいのですが、“NHKインターナショナル”というのがあります。これは有料チャンネルですが、日本国内でも海外でも視聴できます。私の両親も見ていました。日本からの情報が、全て英語で配信されます。BBCやCNNよりも使えます」
(マヤ)「被災当時、タヒアさんはNHKインターナショナルを取っていたんですね?」
(タヒア)「はい。NHKの日本語版と英語版を交互に見ていました。伝える情報は、ほぼ同じでした」

(マヤ) 「余震はどうでしたか?大きいのが来るんじゃないかって、不安に思いませんか?」
(タヒア) 「そうですね、ニュースで盛んに”3〜4日以内に大きい余震が来る恐れがある”などと聞いたりすると、すごく怖くなりますね。だからちょっとの余震が来ても怖いんです。3月11日の地震発生当日は、一晩中余震が続いたじゃないですか。だから起きてニュースを見ていました。
余震は、本震よりも怖いです。というのも、余震は何度も何度も来るからです。だから一種のトラウマになりました。地震が起きていなくても、体が揺れている感じがするんです。おかげで3日間一睡もできませんでした。ウチのマンションには地震アラームが付いていますが、一晩中鳴っていました。それも眠れなかった原因です」

(マヤ)「地震に際して、どんな情報が欲しいと思いましたか?避難所がどこにあるかとか、非常時に備えてリュックサックに入れておくべきものとか」
(タヒア)「そうですね。そういう情報は役に立ちます。なぜなら私たちは地震に対して一切準備をしていなかったからです。非常食などを入れたリュックもなかったし、ヘルメットも缶詰もなかった。でもそれは、決して情報不足だからではありません。例えば私が日本語学校に通っていたときは、地震のための備えについて学校側が教えてくれていた。それをきちんと守らなかったのは私たちが責めを負うところです。でもそれらの情報が、果たしてここまで大きい地震にも役立つものだったかどうかは分かりません」

(マヤ)「非常用マニュアルがあっても、きちんと読む人は少ないかもしれませんしね」
(タヒア) 「そうですね。私の住むマンションでは屋上にヘリポートがあって、要請に応じてヘリが来て救助にかけつけてくれるんですが、私は上に上がれば良いのかそのまま部屋で救助を待てば良いのか迷いました。そのような時に取るべき行動を、私は知らなかったんです。低層の建物に住む人たちにとっては今の情報量でも十分だと思いますが、高層マンションに住む人たちはより多くの情報を仕入れておく必要があると思います。
マンションの非常災害対策本部は”部屋にいるように”とか”テーブルの下などの安全な場所にいるように”と私たちに言いました。だから提供してくれる情報が決して不十分とは言いませんが、より多くの情報を入手しておく必要はあると思いますね」

(徳橋)「これから起こる地震に備えて、欲しい情報は何ですか?」
(マヤ)「例えばリュックサックに入れておくべき物のリストとか」
(タヒア)「ホームセンターなどではその種のリュックサックは売っていますが、全員がそれを持っておくべきだと思いますね。市役所や区役所からも、それを促していくことが大事だと思います。今はそういう情報が役所で見当たりません」

ところでタヒアさんは、ご自宅で料理教室を開いています。この番組でもさんざんお世話になった”Niki’s Kitchen”でバングラデシュ料理を教えていますが、地震の影響により教室を閉鎖していました。その料理教室が、5月半ば頃に復活します!詳しくはこちらでチェックしてください。直近のクラスは、もしかしたらキャンセル待ちの状態かもしれませんが、粘り強くお待ちいただければと思います。

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