「裁かれるは善人のみ」を見てきました。
この映画・・・久々に見る骨太映画!オシャレさはどこにもないのに、心に響いてくる・・・・。
まずは、私、冒頭の風景画像に心捉われました。日本のどこかにもありそうな、(世界のどこにでもありそうな)
海辺の田舎の風景たち。そこでひっそり暮らしている家族。開発に伴い立ち退きを迫られているその家・・・
永山淳一君はこの映画の設定を「5年後の東京のどこか」にも重ねて観ていたようです。
その、”どうしようもない状況”の中で生きていく人々の、あたりまえの悩み、解決しようともがく姿、青春の苦悩と家族の絆・など、書いてしまうと当たり前の出来事をカメラは追っていきます。
ロシアの俳優たちのどっしりした演技にも釘づけ。酒を飲みタバコを吸う姿は、最近いやに清潔になった東京に住む私には憧れさえ感じる映像。…この気持ちこそ”郷愁”というのではないかしら・・・!!
邦題にもあるとおり、主人公の状況はどんどん追い詰められていくのですが、映画はそれにYESともNOとも言わない。そして助けを求めようと観客としての私の目に飛び込んでくるのは,海を抱えた風景の羅列・・・・
象徴的な(チラシにも載っています)巨大な生物の骨が、主人公の息子の10代の少年の独りぼっちの後ろ姿に頼もしく寄り添っている・・・どこをとってもARTなのは、監督のセンスなのでしょう。
少ししか登場しない音楽も私の涙を誘うに不足ないものでした・・・(音楽はフィリップ・グラス)
永山淳一君、2015年の映画友人ありがとう!
来年は地元の中学生の書いた詩に曲をつけるのが楽しみと言ってました★またね!!
1曲目:空も飛べるはず(スピッツ)
2曲目:La ballet des Oiseaux(フィリップ・グラス)
3曲目:サルビアの花(南谷朝子)
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