今夜のトーク in 日本語

今週も先週に引き続き、東京から仙台までの約400キロを自転車で走りながら、東日本大震災の被災地への募金を募るプロジェクト「Tohoku Shine On! Cycle Challenge」を敢行した3人の外国人をゲストに迎えました。先週はこのプロジェクトを始めたきっかけや、東京から仙台に向かう道中での様子などが中心でしたが、今週は被災地・仙台で彼らが見た光景や出会った人々、そして今後の彼らの取り組みについてお聞きしました。

(左)スティーブ・コリンズさん。アメリカ・シアトル出身。日本に20年以上在住、高品質ペットフード「K9(ケイナイン)ナチュラル」経営。
(中)レイ・ミーナンさん。アイルランド出身。今年7月で日本在住23年を迎える。金融会社勤務。
(右)ポール・レナードさん。イギリス・ニューキャッスル出身。約20年日本在住。フリーのグラフィックデザイナーとして活動。

 

● レイさんにお聞きしますが、仙台に着いた後に目にした光景は、一体どんなものでしたか?
(レイ)「私たちは東京を発って水戸、須賀川(福島県)を経由して仙台に着いたわけですが、その道中はそれほど被害を被っていないように見えました。しかし仙台では、建物や道路の損壊が見られました。建物は崩れ、道路は曲がっていました。でも私たちは3日間の輪行でとっても疲れていたので、その日の夜は早い時間に寝ました。
すでに仲間のスティーブは、高品質のドッグフードを扱う「K9ナチュラル・ジャパン」を経営していて、そこが70万円分のドッグフードを仙台に無償で届けていました。仙台には捨てられた犬たちが多くいましたからね。それで仙台の動物保護施設を訪問しました。募金を募りにお伺いしたんですが、するとそこの方が「じゃあ、ちょっと手伝ってください」って(笑)
被災地の風景はテレビやYouTubeでは見ていましたが、私の目に映ったそれはそれ以上に衝撃的でした。画面で見るのとは全然違っていました。米軍や自衛隊の人たちが遺体を捜索していました」

 

● 実際に被災した方々には会われたんですか?
(レイ)「若い小学校の先生に会いました。彼女のお母さんがK9のチャリティに協力してくださったんですが、彼女の小学校は石巻の海のそばにあったんですね。地震発生後、彼女は生徒たちを連れて山へ向かいました。そこで3日間過ごしたそうです。雪が降っていてとても寒くて、十分な食べ物もなくて、お米や魚をみんなで分けて、何とか3日間乗り切ったそうです。その間は親を含め誰とも連絡が取れなかったと聞きました。
中には山には行かないと決めた先生もいたそうです。なぜなら学校は3階建てだから、いざとなったら屋上に上れば大丈夫だと思ったのでしょう。でも実際には子供一人が亡くなりました。それを聞いた時は悲しかったです」

 

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=gA22KKsMbuI[/youtube]

 

● ポールさんはいかがですか?
(ポール)「先ほどレイが言ったように、仙台に着いた翌日に動物保護施設に行ったわけですが、そのまた翌日に3人で仙台市内を自転車で回りましたが、まず私たちが泊まったホテルのすぐそばの建物の内部が地震でめちゃくちゃになっていました。でも人々の生活は平常を取り戻し、仕事も再開していました。
ちょっと休もうと思い、公園に行きました。そこでは10歳の子供たちがサッカーをして遊んでいましたが、それを見て人間の強さを感じたんですね。未だ地震の脅威が完全に消えたわけではないのに、あの子たちは笑っている。それに現地の人々は、自分たちのことより他の人たちのことを気遣ていました。そうやってお互いが助け合っていたんです」

 

● むしろ良い部分を見いだしたんですね。
(ポール)「そうです。もちろん、片付けなければならないことは依然として存在しますよ。でも私は、災害に直面した彼らの勇敢さに感動しました」

 

● (日本語で徳橋が)今後どのような取り組みをしていきたいですか?
(スティーブ)「津波の被害に遭った地域が、今後どのくらいで通常の状態に戻るかが気になります。海岸付近は数百キロに渡って被害を受けており、今でもがれきを取り除く作業に追われています。だから復興には時間やお金、それに多くの人の支援が必要だろうと思います。その間も人々は体育館などの避難所で暮らしています。今も悲しみは続いており、我々はそれを黙って見ているわけにはいきません。
だから私たちができることは、タイラー基金への寄付を募ることです。私たちは今後も被災地の人々のために活動を続けます。そして実際に仙台に行ってボランティア活動をしようと考えています。タイラー基金では5つの方法での寄付を、英語だけでなく日本語でも呼びかけています。ぜひご協力をお願いします」

(レイ)「私たちの東京〜仙台間のチャレンジはわずか3日間でしたが、被災地の人たちの苦しみは今後もずっと続いていきます。だから寄付をし過ぎるということはありません。日本人の寄付に対する考えは素晴らしいし、ポールも言ったようにすごく勇敢な人たちです。私たちは日本に20年以上住んでいて、今では日本が私たちの”故郷”です。だから私たちは故郷に恩返しをしたいんです」

(ポール)「私たちのホームページ は、チャレンジが終わった今でもご覧になれますし、寄付も受け付けています。もし皆さんが50円でも500円でも寄付をしていただけたら、それは支援を必要とする東北の人たちに届けられます。なので、一歩踏み出して、支援の手を差し伸べていただければと思います」

そして今週のリクエスト曲は「Don’t Worry, Be Happy」。レイさんから東北の人たちにぜひ届けたい歌ということでした。これからも3人の活動を、一緒に応援していきましょう!

 

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