Rynten ゲスト #433 高田漣さん 2

正月気分から抜け出した方は多いのではないでしょうか?中には、まだ正月ボケがぬけてない、という方もいらっしゃるかもしれません。如何お過ごしでしょうか?

これから北国では雪が多くなっていく季節ですね。
昨年の話になりますが、生まれて初めて北海道富良野で〝スノトレ〟を買いました。それまでは着る物には非常に気を遣っていたのですが、不覚にも履物には全く…でした。“滑るわ、滑るわ”で地元の人に「それでは危ない。必ず怪我する。」と言われ靴屋に連れらて行った訳ですが、まあ、滑らない事!雪をホールドする力に関心しました。人間の英知英知です。
車もスタッドレスになりましたね。僕は持っていませんが北海道へ行きますと、その威力をまざまざと見せつけられます。
まさか、自分の足で、とは驚きでした。雪の上を歩くのが楽しくなってきました!地元の方には失礼ですが唱歌の『あるきはじめた みいちゃんが 赤い鼻緒の じょじょはいて おんもへ出たいと 待っている』の〝みいちゃん〟の気持が分かります。

■Ryntenゲスト【ゲストコーナー 髙田漣】(2016年12月の収録でした。写真のなかのクリスマスツリーはご愛嬌ということで!/スタッフ)
今週も先週に引き続き《髙田漣さん》にお越しいただきました。2015年、カバーアルバム《コーヒーブルース〜高田渡を歌う〜》をリリース。今週の始まりは、そのアルバムから“渡さん”の楽曲の中でも最も有名な《自転車に乗って》。

倫『このアルバムを制作したきっかけって何かありましたか?』
漣『はい。父が亡くなって10年目でしたので、アルバムだけでなく、父がデビュー前に書いた〝フォークソングについて〟等の日記が出て来てそれを書籍化したり、父のベストアルバムを編集したり…と一連のイベントの一貫として自分が歌うカバーアルバムを出させて頂きました。』

編集されたオリジナルテイクのベスト盤も同じ曲が並んでいますが、全然違うんです。渡さんのアルバムは「懐かしい」。でも漣さんの場合は「懐かしい」では済まない、と強く感じました。

倫『漣さんご本人が操る弦楽器には、スティールストリングスもあれば、マンドリン系、エレキ系、9弦ギターが出てきたりとか、本当にが幅が広い。お父さんとの環境もありますが、自分自身の好みを切り開いてきた世界が大きいと思います。』
漣『父の友人のミュージシャンの方々には、中川イサトさんらギターを一筋でやってきた方もいらしたんですが、マルチプレイヤーがすごく多かったんです。子供ながらに〝楽器を弾く〟というスタンスは、一つの楽器を弾くというより〝色んな事が出来るのが音楽に携わるという事〟と勝手に思ってましたので、早くから色んな楽器をやってました。』

お父さんの影響で小さい時から楽器に触っていたものの、楽器を意識的に弾き初めたのは中学生の頃。しかもきっかけとなったのは、何と〝ローリングストーンズ〟!「エレキを弾いて見たい!」とその時思ったそうです。意外でした。

倫『(ローリングストーンズの)気になる楽曲ありましたか?』
漣『当時、ギターマガジンを買ったら表紙にミックとキースが写っていて、楽曲というよりミックの佇まいに憧れてしまい、お年玉を貯めその半年後には近所の楽器屋さんで初めてエレキギターを買いました(笑)。』

今日の1曲目は《フィッシングオンサンデー》。
曲を聴き終えて。

倫『先ほど話に触れた9弦ギターって?』
漣『父がずっと使っていた12弦ギターの6弦と5弦部分を外しました。』
倫『オープンチューニングですね。1曲ごとの表情の違いが、まるで十二支を辿る様に色が変わっていく。お父さんも喜んでいらっしゃるでしょうねえ。』
漣『父と一緒にアルバムを創っている様な感覚でやってました。オヤジを喜ばせようと手を替え品を替えて(笑)。』

僕にとっての渡さんの思い出を少し。

倫『その昔、北海道で渡さんのライブで呼び出され飛び入りで出たことがあるんです。』
漣『ホントですか?!』
倫『「ボトルをやれ!」と。でもボトルがないので、お店のグラスを借りました。また、僕のライブを観に来てくれた時「お前、気取ってんじゃねーか!」と言われて…。』
二人とも(爆)

倫『音楽を演る演らないに関係なしに〝ブレない〟という生き方にみなさんがついて行っているんでしょうね。一番影響を受けているのが蓮さんじゃないかな。』
漣『そうですね。父と生前から一緒に演奏する時間、共演する機会が多かったので色んなことを教わったな、と思います。』

岡山の笠岡というところに〈カフェ・ド・萌〉というお店があり、渡さんから初まった様なところです。渡さんが「入場料は2,000円!それ以上は取るな!」と言われ、今もそれを守っています。僕は年に一度ライブをやらせてもらっていますが、漣さんは昨年初めてお邪魔したそうです。

倫『時代も物価も変わり料金を上げるアーティストも多いらしいんですが、僕は上げない。「渡さんを超えちゃまずい!」と。これは、渡さんから教えてもらった信念です。』
漣『昨年ママと初めて話をして色んな貴重な話を聞かせてもらいました。ホントに落語の様な世界、面白い話が満載でした。』

今日の2曲目は《絵空事》。
これは、“コーヒーブルース”より以前に、〝鈴木茂さん〟がフューチャーしたもの。そのアルバムを創っている中で、徐々に渡さんの歌を歌う事を意識し始めたそうです。

最後に。
倫『お話しできてよかった!』
漣『ホントですか?!ありがとうございます。』

収録を終えて
ゲストに来て頂いた、髙田漣さん。知る人ぞ知る、高田渡さんの息子さんです。たまにですが、親の七光りで芸能界に入ってくるご子息、ご息女がいらっしゃいますが、そんな中で全く独自の世界を創っている、ある部分お父さんを超えている、と感じさせられました。音楽的にも高いところにあり、僕自身「話したいな」「ライブを観たい!」と思うアーティストでありました。

漣さん、楽しかったです!
また遊びに来て下さいね。

【髙田漣ライブスケジュール】
・1月25日(水)第12回音座銀座スペシャル@ヤマハ銀座スタジオ
 「カントリー&ウエスタンを巡るアコースティックギターの世界」佐野史郎 vs高田漣
・2月1日(水)東京代官山「晴れたら空に豆まいて」『春節のかりゆし2017』大工哲弘×高田漣
・2月5日(日)和歌山「COFFEE HOUSE GORILA」高田漣&濱口祐自LIVE
・2月26日(日)東京大岡山「Good Stock」ソロ
http://tone.jp/artists/takadaren/

■Ryntenライブスケジュール
●ソロライブ
・1月21日(土)静岡浜松「なんでモール」
・1月22日(日)愛知江南「スタジオM」
・1月29日(日)福島いわき「The Queen」
・2月4日(土)高知「Bee Station」
・2月5日(日)香川高松「黒船屋」
・2月17日(金)岡山笠岡「萌」
●ギターセミナー
・2月18日(土)~19日(日)福山「バーカブロ」
●山木康世&岡崎倫典ジョイントライブ
・3月10日(金)代々木リブロホール
・3月11日(土)九段教会

■アルバム情報
Eternal(エターナル) - Rynten plays Teresa Teng –
テレサ・テンとの夢のコラボレーションをスペシャルトラックとして収録。

【譜面集『Eternal Rynten plays Teresa Teng』】
『Eternal Rynten plays Teresa Teng』譜面集が出ました!、自信作です。
何が自信作かというと…非常に読みやすく見やすい!実際に楽曲も素晴らしいものばかりですから、是非弾いてみて下さい。